2014年2月8日土曜日

(実録】自力で農地転用 in 2006〜2007


2006年当時の土地。この土地を宅地に転用した。
この頃は蕎麦畑で、そのさらに10年位前までは水田だった。










我々の所有する土地は市街化調整区域の畑地だったので、家を立てるには地目を畑地から宅地に変更する必要があった。それがいわゆる農地転用である。
世間一般では行政書士に依頼するのだが、「Be-h@us」と出会い「知的セルフビルド」という言葉に感化された我々は、「農地転用を自力で行って、その情報をインターネット上に公開しようぜ!」と、割と軽い気持ちでチャレンジしてみた。
以下、その奮闘記である。




[2006年7月]
まずは情報収集ということで古河市役所の農業委員会へ。単刀直入に「農地転用を、素人の我々が自力でやりたいのですが、出来ますか?」と尋ねると「出来ますよ!」と即答。「期間は?」と聞くと「住所はどこ?(しばらく調べて)ここは農業振興地域じゃないから1ヶ月チョイだね」とのこと。
そして、許可申請書必要な書類一式が記してある一覧表、そして「開発許可申請も同時進行なので都市整備課(建築指導課?この辺ちょっとうろ覚え)にも相談して」との指示をまで頂く。
そのまま都市整備課(建築指導課?)に向かうと、やはり開発許可申請書添付書類一覧、そして「分からないときは聞いてください」との温かいお言葉。
「なーんだ、簡単に出来そうじゃん」と、その日は役所を後にした。



[2006年11月~12月]
11月初旬に家のデザインの大枠が決まり、中旬以降農地転用に向けて本格的に動く。
親類から農地転用書類一式ファイルを借りることが出来、自分で作成する書類はこれを丸写し。
書類についてはこちらを参照 → 農地転用に必要だった書類 in 2007

農地転用の申請には資金計画を明示しなければならず、そのための住宅ローンには家の設計図が必要。ということで、この頃「家の設計」「住宅ローン」「農地転用」の書類が散乱し収集がつかなくなる。慣れない用語に振り回されつつ住宅ローンを申し込むが、今度は審査が思った以上に長引き、当初予定していた12月どころか1月の申請も怪しくなると、ストレスが限界に達したのか、人生初のぎっくり腰に。結局、年末に融資見込書は届かず、身も心も痛めたまま年を越す。



[2007年1月]
「1月の農地転用は無理」と諦めかけていたところの新年1月5日(金)に融資見込書が到着。1月6、7、8日が3連休で9、10日が1月の農地転用受付日だから(通常は毎月8~10日)、本当にギリギリで何とか提出の運びとなった。
1月9日(火)、朝イチで市役所へ向かい、まずは農業委員会。特に何もなく無事提出。
だが次の建築指導課で、「申請地が大きすぎますね…」との言葉。小規模開発の許可申請は500㎡以下とのこと。われわれの申請地は694㎡。かなりの開きがある…
「申請には1万円掛かるので、まず県の建築指導課に確認してください」と担当者に言われ、筑西市の県西合同庁舎まで車をすっ飛ばす。が「1割オーバーが限度です。土地を分筆してください。」とあっさりと言われ、万事休す。同行した尚建築工房の大川さんが粘ろうとするも全く取り合ってくれなかった。この時点で1月の農地転用は不可となる…

落ち込んでも埒が明かないので、申請が却下されたその日に早速測量士を訪ね分筆をお願いする。これは自分では出来ないので仕方がない。
土地の区切り方を決めた翌日には測量しに来て、その後10日で登記まで仕上げてくれた。



[2007年2月]
申請の前日に、妻が書類一式(『水路の占有許可』は間に合わず)を持って関係部署に確認してくれた。OKだろうとのこと。前回は融資見込書が直前に届き、確認をせずに失敗したので、かなり安心する。

2月7日(木)朝9時、2度目の農地転用&建築許可申請。
前日に書類一式確認してもらっていたので、どちらの窓口でもすんなり受理された。
間に合わなかった『水路の占有許可』に関しては、「許可が下り次第提出してください」とのこと。
「この他に必要な書類が出てきたら連絡します」と最後に付け加えられた。
前回は基準に合致していなかったので門前払いの形になったが、ある程度形になっていれば突っ返されることは無い模様。

翌日、筑西市の県建築指導課に『水路の占有許可』を届けに行く。『水路の占有許可』が下りたのが申請日の夕方。許可書を取りに行ったときには既に、開発許可申請書類は市から県に提出されていたため。書類がきちんと揃ってないとあちこち何度も行く羽目になるのだ…
許可書を届けた際、更に書類を催促される。
「立面図が無いのは平面図に最大高を記載したから、ってことですか?」と強圧的。「そうです」と答えると、「一覧にはそう書いてあるけど、皆さんちゃんと立面図も付けてくれるんですよねぇ。あと旧式の戸籍謄本(縦書きのやつ)も用意して欲しいんですけど」とぶっきらぼうに言われる。「添付書類一覧にはそこまで書いてないだろ!」と怒鳴りたくなった。
開発許可申請はこういうことが多い。情報公開が徹底してないあたりに何か暗い意図を感じる。

立面図をメールで送ってもらい、週が明けた2月13日再び県の建築指導課へ。立面図と戸籍謄本を提出すると「これで大丈夫だと思いますけど…」とぶっきらぼうながらOKが出た。
その後は何も無い日々が続く。県の建築指導課や農業委員会が土地の確認に来てたけど、立ち会い等は一切無かった。



[2007年3月]
提出から一月半、3月19日(月)に建築許可、23日(金)に農地転用がそれぞれ下りた。
電話連絡がありそれぞれの窓口へ行き、許可書をもらうだけ。農地転用は“表示板代”500円を支払う。



以上が我々の農地転用の顛末。
長文となったが、ミスや悪戦苦闘した部分を強調したかったので。

気になる費用は、書類代(1万円掛かってないはず)+申請費(1万円)+ガソリン代といったところ。
申請するまでの期間は3ヶ月。我々は申請地の分筆し忘れで1ヶ月無駄にしている。

自力で農地転用するにあたっては、平日昼間に動けることが必須条件。
あとは役所で質問攻めすること。
この時作成した書類は「農地転用に必要だった書類 in 2007」に掲載してあるので、そちらも御覧ください。


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